議事録作成やメール業務、AIでどこまで効率化できていますか?
経営者として多忙な日々を送る中で、会議の議事録作成や大量のメールへの対応は、時間を取られがちな業務ではないでしょうか。
- もっと効率化したいけれど、どこから手をつければいいか分からない
- AIを使ってみたけれど、定型的な内容しか生成されず結局手直しが必要になる
と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
議事録作成やメール対応は、会社の意思決定や対外的な信頼に関わる重要な業務です。
だからこそ、質の高さを維持しつつ、効率を上げたい。
この課題、実はAIと「言葉」の力を組み合わせることで、大きく改善することができます。
AIはテキスト情報を処理し、生成することに長けています。
しかし、そのアウトプットの質は、元になる情報と「どのような指示(プロンプト)」を与えるかに大きく左右されます。
そして、指示(プロンプト)を与えるためには、自身の意図やニュアンスをAIに正確に伝える「言語化」の力が、ここでは非常に重要になります。
この記事では、議事録作成とメール作成という具体的な業務を例に、AIを最大限に活用するための「言葉」の使い方、すなわち効果的なプロンプト作成の具体例をご紹介します。
この記事を読むことで、社長であるあなたの日常業務の効率を飛躍的に向上させ、より戦略的な業務に集中できるようになるでしょう。
AI時代の業務効率化:なぜ「言葉」の力が鍵となるのか
多くの経営者がAIを業務効率化のために導入していますが、その効果を十分に引き出せていないケースが見られます。
その原因の一つは、AIを単なる自動化ツールとして捉え、「なんとなく」指示を出してしまっていることにあります。
AIは、指示者である人間が入力した言葉だけを頼りに処理を行います。
指示者の頭の中にある背景情報、その業務を行う目的、最終的にどのような状態を目指したいのかといった「文脈」を、AIは勝手に推測できません。指示者がこれらの要素を明確に「言語化」し、AIに伝えることで初めて、AIはあなたの期待に沿った、高品質なアウトプットを生成できるのです。
特に議事録作成やメール作成のように、内容の正確性や伝えるべきニュアンスが重要な業務では、この「伝わる言語化」がAI活用の成否を分けます。
私たちは、「言葉」の専門家として、経営者の皆様のビジネスにおける重要な「言葉」の力を引き出す支援を行ってきました。この言語化のノウハウをAIへの指示に応用することで、AIを単なる時短ツールではなく、あなたの右腕として機能させることができます。
次章からは、具体的な業務シーンでのAI活用と言語化テクニックを見ていきましょう。
【具体例】「言葉」の力で議事録作成・メール作成を効率化
1. 会議の議事録作成を効率化する
会議の音声をテキスト化するAIツールは既に多く存在しますが、そのテキストを「使える議事録」にするには、その後の編集や要約が必要です。ここで「AIに伝わる言語化」が役立ちます。
AIへの指示例(プロンプト例):議事録の要約とアクションアイテム抽出
あなたは経験豊富な議事録作成者です。以下の会議テキストを読み、重要な決定事項、議論の要点、そして各担当者への具体的なアクションアイテムを抽出して簡潔にまとめてください。
**目的:** 次回会議までに参加者が内容を素早く確認し、担当者が各自のタスクを実行に移せるようにするため。
**対象会議:** 〇〇に関する週次進捗会議
**含めるべき項目:**
- 会議名と開催日時
- 参加者リスト
- 主要な決定事項(3点以内)
- 各決定事項に至った主な議論の要点(決定事項ごとに箇条書きで)
- 各担当者への具体的なアクションアイテムと期日(担当者名、タスク内容、期日を明確に)
- 次回会議で確認すべき事項
**形式:** Markdown形式で記述してください。
**注意点:** 専門用語はそのまま使用してください。ネガティブな表現は避け、客観的な事実のみを記述してください。
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[ここに会議の音声認識テキストを貼り付け]
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このように、議事録作成の「目的」 、「含めるべき項目」 、「形式」、「注意点」 などを具体的に言語化して指示することで、AIは単なるテキストの羅列ではなく、ビジネスで使える形に構造化された議事録の叩き台を生成できます。
指示者は生成されたアウトプットを軽く手直しするだけで済み、大幅な時間短縮に繋がります。
2. 質の高いメール作成を効率化する
感謝のメール、依頼メール、お詫びメール、提案メールなど、ビジネスメールは多岐にわたります。
それぞれのメールには、伝えるべき情報に加え、相手との関係性に応じた適切なトーンや配慮が必要です。AIは、これらの要素をあなたの指示に基づいてメール本文を作成できます。
AIへの指示例(プロンプト例):お客様への感謝メール作成
あなたは丁寧でプロフェッショナルなカスタマーサポート担当者です。先日〇〇(製品名)をご購入いただいたお客様へ、感謝の気持ちを伝えるメールを作成してください。
**目的:** お客様への感謝を伝え、今後の関係構築に繋げること。
**送信相手:** 〇〇様(氏名)
**前提情報:**
- ご購入いただいた製品:〇〇
- ご購入日:〇月〇日
- お客様は以前にも弊社製品(△△)をご利用いただいています。
**含めるべき内容:**
- ご購入いただいたことへの感謝
- 〇〇(製品名)の特徴や、お客様の課題解決にどう役立つか(簡単に)
- 以前の製品(△△)ご利用への感謝
- 今後もお客様をサポートしていきたい旨
- 製品に関するお問い合わせ先
**トーン:** 丁寧かつ温かいトーンで記述してください。
**署名:** [あなたの会社名] [あなたの氏名]
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件名:【〇〇株式会社】〇〇(製品名)のご購入ありがとうございました
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このように、メール作成の「目的」、送信相手に関する「前提情報」、必ず「含めるべき内容」、そして「トーン」 などを具体的に言語化して指示することで、AIはテンプレート的なメールではなく、指示者の想いや相手との関係性を踏まえた、よりパーソナルで効果的なメール本文を作成できます。
依頼メールであれば「相手にどのような行動を取ってほしいか」、提案メールであれば「提案のコアとなる情報や、それによる相手のメリット」を具体的に言語化することが重要です。
前回のブログ記事で解説した「目的を明確にする」「制約条件を指定する」「具体的な情報や背景を提供する」といったテクニック が、ここでも応用できます。
まとめ:「言葉」の力でAIを「真の業務効率化パートナー」に
議事録作成やメール作成といった日常業務におけるAI活用は、単なるツール導入で終わらせるべきではありません。
あなたの意図やビジネスの文脈をAIに正確に伝える「言語化」の力を磨くことで、AIはあなたの期待をはるかに超える、高品質でパーソナルなアウトプットを生成できるようになります。
これは、一つ一つの業務の効率を上げるだけでなく、経営者であるあなたが、より創造的で戦略的な思考に時間を使えるようになることを意味します。あなたの「言葉」の力でAIを使いこなし、業務効率化のその先にある事業成長を実現してください。
株式会社Carpe Diemは、経営者の皆様が自身の「言葉」の力を最大限に引き出し、AIを真のビジネスパートナーとして活用するためのサポートを提供しています。AIによる業務効率化が進まない、どう指示を出せばいいか分からない、といった課題をお持ちであれば、ぜひ一度私たちにご相談ください。