「言葉にできない」は、
語彙力の問題ではありません。
言葉が出てこないのは、取り出す対象がまだ自分の中でぼんやりしているからです。倉庫の中を見にいく手順を、公開します。
このページの内容
まず、3つの質問に短く答えます
言語化とは何ですか?
頭の中にある感覚・感情・考えを、自分にも他人にも扱える言葉の形にすることです。表現を飾ることではなく、自分の中にあるものを正確に取り出す作業を指します。
なぜ言語化ができないのですか?
ほとんどの場合、語彙が足りないからではありません。自分に対する問いの立て方が、大まかすぎることが原因です。「私の強みは?」ではたどり着けません。問いを細かく分解すると、言葉は自然に出てきます。
言語化は訓練で身につきますか?
身につきます。才能ではなく手順の問題だからです。本ページで、その手順を公開しています。
語彙を増やしても、言語化はできるようになりません
言語化がうまくできないとき、多くの方が「もっと本を読もう」「表現を勉強しよう」と考えます。けれど、それでは解決しません。
言葉が出てこないのは、取り出す対象が、まだ自分の中でぼんやりしているからです。倉庫の中身を把握していない人に、立派な運搬車を渡しても、運ぶものが決まりません。
必要なのは、倉庫の中を見にいく手順です。
言語化の4ステップ
出す(発散)
きれいにまとめようとせず、頭の中にあるものを片っぱしから外に出します。単語でも、断片でも構いません。ここでの禁止事項はただ一つ、「まとめようとしないこと」です。
掘る(深掘り)
出てきた言葉に「なぜそう思うのか」を重ねます。3回で止めないでください。多くの場合、5回目あたりから、自分でも意外な言葉が出てきます。ここが言語化のいちばんの山場です。
選ぶ(軸を決める)
全部は残せません。「これが無くなったら自分ではない」というものを選びます。選ぶ=捨てるです。捨てられたものが多いほど、残った言葉は強くなります。
渡す(相手の言葉に翻訳する)
最後に、相手に届く形に置き換えます。ここで初めて「伝え方」の話になります。多くの人は、1〜3を飛ばして、いきなりここから始めてしまいます。中身がないまま伝え方だけ整えても、薄い言葉にしかなりません。
今日からできる、3つの練習
練習1|1日1つ、「なぜ良かったか」を書く
「今日のランチ、美味しかった」で止めず、何が、どう美味しかったのかを一文足します。感覚に言葉をつける筋トレです。
練習2|自分に「つまり?」と聞く
話したあと、書いたあとに「つまり、どういうこと?」と自分に問い返します。要約する力ではなく、核を見つける力が鍛えられます。
練習3|嫌だったことを言葉にする
好きなものより、嫌なことのほうが輪郭がはっきりしています。「なぜ嫌だったか」を掘ると、自分が何を大切にしているかが裏側から見えます。
AIは、言語化の相棒になります。ただし順番があります
生成AIは、言語化の練習相手として優秀です。何度聞いても疲れませんし、決して呆れません。
ただし、AIに「私の強みを教えて」と聞いても、意味のある答えは返ってきません。AIはあなたのことを知らないからです。返ってくるのは、世の中の平均的な言葉です。
AIができるのは、あくまで既存の情報に基づいた処理や生成です。あなた自身の経験、あなたの心で感じた感情、あなたの譲れない価値観——これらはAIの中にはありません。
正しい使い方は逆で、自分が出した言葉をAIに渡して、「なぜ?」を投げ返してもらうことです。AIを鏡として使う。これができると、一人での深掘りが一気に進みます。
一人で進めるのが難しいときは
深掘りは、自分一人だとどうしても途中で止まります。自分の思い込みの外側は、自分では見えないからです。
そのための入口を、用意しています。
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